環境史研究会 第9回ワークショップのご案内

竹本さんからの案内を転載します。(村山)

環境史研究会メンバー各位

竹本です。

季節外れの台風が続き、各地で被害が出ておりますが、みなさまお変わりないでしょうか。

第9回環境史研究会ワークショップのお知らせです。

今回は、沖縄漁民、捕鯨、満州の炭鉱がテーマです。

「台頭する「沖縄漁民」―「異人種」から郷土の誇りへ―」を山本ちひろさんが、

「近現代日本捕鯨業の組織構成について」を渡邊洋之さんが、

「Carbon Technocracy: Energy Resource Management in 1930s and 1940s Manchuria」をVictor Seowさんが発表されます。

奮って参加ください。

ワークショップの後には懇親会も予定しております。

あわせて参加いただければ幸いです。

【日 時】 2012年7月21日(土)13時~18時

*開始時間が以前より1時間早くなっています。お気をつけください。

【場 所】 東京大学農学部1号館 3F農経会議室

*前々回(第7回ワークショップ)と同じ場所です。

【発表題目と概要】

山本ちひろ(東京大学)「台頭する「沖縄漁民」―「異人種」から郷土の誇りへ―」

1930年代、「南洋」漁業の主要な担い手は「沖縄漁民」であった。南洋群島から東南アジアにまで広く進出していた彼らは、やがて戦時期に「南進の先駆」としての評価を得てゆく。しかし一方で「沖縄漁民」の内実に目を向ければ、それはほとんど交わることのないふたつの潮流によって構成されていた。すなわち、ひとつは東南アジア方面へ出漁していた糸満系追込網漁民であり、他方は南洋群島へ進出していたカツオ漁業者であった。戦時期に「南進の先駆」として注目を集めるのは厳密には前者であるが、彼らを締め出し、長らく関心の外に置いてきた沖縄社会にあっては、そのことに気づくまでに思いのほか時間を要することになる。本報告では、東南アジア方面に展開していた追込網漁民に対し、戦時期に国家によって付与された存在意義を検討し、またそれを写し取ろうとして再編された沖縄の自己像の変遷についてもあわせて考察する。

渡邊洋之(京都大学)「近現代日本捕鯨業の組織構成について」

海という環境から生き物を「資源」としてよりうまく得ていくために、人はその方法を改めてきた。近現代日本捕鯨業においてそれは、網捕り式捕鯨からノルウェー式捕鯨、母船式捕鯨へという、技術導入の過程であった。

この過程を考察するにあたっては、当時の日本捕鯨業に従事していた労働者の実際について、あきらかにする必要がある。本報告では、クジラを捕獲する活動と、クジラを解体処理する活動という、捕鯨にかかわる主要な二つの作業に注目して、これらの活動を行う組織の構成の変遷とともに、それらに従事する労働者の来歴について説明していく。

加えて、クジラという生き物や捕鯨業という産業そのもの、およびいわゆる捕鯨問題の経緯など、本報告の前提となるような事柄についても、簡単ではあるが解説していきたい。

Victor Seow(ハーバード大学)「Carbon Technocracy: Energy Resource Management in 1930s and 1940s Manchuria」

*発表は日本語で行います

以上、よろしくお願いします。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *