環境史研究会第8回ワークショップ(=「環境史シンポジウム」のご報告)

環境史研究会のみなさまほか関係者各位

17日から18日にかけてエル・大阪(=大阪府立労働センター)で、環境史研究会・大阪市立大学経済学研究科重点研究「健康格差と都市の社会経済構造」主催、身体環境史研究会および医療・社会・環境研究会共済で開催された第8回環境史研究会(=環境史シンポジウム)は非常に充実した研究会でした。年4回の環境史研究会を一気に開催したような内容を含んでいたように思います。

ますます「つながり」の重要性を実感した研究会でした。今回の研究会のオーガナイズをして頂いた瀬戸口明久さんならびに藤原辰史さんのご尽力に改めて感謝致します。

研究会の発展においては、「つながり」が組み込む「ノード」(ヒト)の活躍がますます重要であることを実感しました。他方で、環境史研究においては、「ノード」であるヒトの能力や個性が非常に重要であると同時に、そのような「単一素子」の振る舞いとは異なる「集団現象」や「複合現象」が生じるメカニズムを解明することも大切であることを改めて考えさせられました。

また、原宗子先生が総括で話されていたように、歴史学研究との対話における環境史研究会の課題・方向性として示された、一国史観・発展段階論の克服、エスニシティの実質的対象化、自然科学的理解・思考の組み込みの三点の重要性を確認させて頂きました。

この環境史研究会シンポジウムの後、環境史研究会のメンバーが企画・参画している学会として、日本農業史学会大会シンポジウム「自然災害と地域社会―農業史研究の視点から」が3月28日に九州大学で、また、林業経済学会では、「近代林学の歴史と環境保全ー森林保続思想の世界史ー」と題して3月29日に宇都宮大学で開催されました。

また本年、6月2日から3日にかけて開催される日本人口学会の企画セッションでは、「災害常襲地の歴史人口と人口変化」と題したセッションを、6月3日の午後、東京大学駒場で開催します。さらに、7月7日は日本ドイツ学会主催の公開シンポジウム「脱原発ードイツの選択」を東京赤坂OAGハウスで開催します。こちらは一般公開ですのでどうぞ奮ってご参加ください。藤原さんと村山が司会をします。

さらに、東アジア環境史協会(AEAEH: http://www.aeaeh.org/)では、2013年10月24日から26日にかけて台北で開催される国際学会のペーパー募集が開始されています。この協会に未加入の方で加入をご希望の方は、英語で、Name、Field、Title、Institution、Emailを村山までご連絡ください。学会事務局に連絡し登録してもらいます。なお、会費等は徴収しておりません。台湾中央研究院の支援でホームページの管理などをしています。

長くなりましたが、来年2013年6月には、比較家族史学会主催で「環境と家族」と題した大会を香川大学で開催する予定です。比較家族史学会の学会員に加えて、環境史研究会のメンバーの参加が可能なように調整しています。自然災害、危機管理、ツーリズム、グローバリズム、イマジネーション、イデオロギー、イノベーション、伝統知、学校教育などのサブテーマを考案中というところです。

最後に、次回、環境史研究会第9回ワークショップは竹本さんからご連絡があると思いますが、7月21日にこれまでのように東京大学本郷での開催が計画されています。

2012年3月30日村山記

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