GCS1 バングラデシュにコレラ流行をもたらす大気海洋結合システムの変動
日時
2013年5月2日(木) 13:00-14:30
場所
香川大学 遠隔教育調査研究室 (幸町北キャンパス2号館2階)
講演
気象・気候変動とコレラの流行
橋爪真弘氏 (長崎大学熱帯医学研究所)
インド洋のダイポールモードの予測可能性とそのメカニズム
名倉元樹氏 (海洋研究開発機構地球環境変動領域)
太平洋のエルニーニョと北東インドモンスーンの降水量
寺尾 徹氏 (香川大学教育学部)
趣旨
バングラデシュ都市部のDhakaと農村部のMatlabをフィールドに、コレラ流行の現場における気象水文環境と公衆衛生状態の関係を解明することを目的とする共同研究を開始した。バングラデシュにおけるコレラの流行は、ENSO, IOD(Indian Ocean Dipole)等の熱帯海洋の海面水温分布の長周期変動と関係する(Hashizume et al., 2011)。この関連メカニズムが解明されれば、季節予報スケールでのコレラ流行予測精度が高まり、流行の予防や対策に多大な貢献が予想される。ENSOと洪水激化との関連性のメカニズムについては解明が進んでいる(Terao et al. 2013)。しかし、現場におけるコレラ流行メカニズムに関しては、①降水量の増加に伴う洪水の発生、②ベンガル湾北部のローカルな海面水温上昇、海面高度上昇に伴う③河川水位と④塩分濃度の増加の影響など、洪水以外にも多様な要因が指摘されている。各要因の相対的重要性の解明は、コレラ流行予測に本質的である。
共催
長崎大学熱帯医学研究拠点一般共同研究「バングラデシュにコレラ流行をもたらす大気水文環境に関する疫学研究」