【3月14日~15日】気候変動下のジオ巨大災害に関する第1回ワークショップ
最終更新日:2024年4月1日
気候変動下のジオ巨大災害に関する第1回ワークショップ
—ヒマラヤ山脈南縁域における山岳部と平野部の相互作用
主催:
・トリブバン大学地質学科/水文気象学科
・香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構気候変動適応研究部門/ICEDS
後援:日本学術振興会研究拠点形成事業
IPCCの第6次評価報告書(AR6)では気候変動の加速が強調され、世界の平均気温は産業革命以前の水準と比較して2030年までに1.5℃上昇するとの予測もあります。本ワークショップは脆弱性の高いヒマラヤ山脈南縁域に焦点を当て、この地域の不安定な気候条件、特有の地形、活発な地質学的プロセスによってもたらされる複雑な課題に取り組むことを目的とします。とりわけ、メガラヤン期(4250年前~)の特定にも使われた鍾乳石は、約4,200年前に歴史的な地球規模の干ばつが起こったことを示しており、地球の気候が別の平衡状態に移行する事例と解釈できます。この地域における学際的な適応への取り組みは、氷河、固有の水資源、地理的巨大災害を引き起こす潜在的な要因により、さらなる複雑さに直面しています。
トリブバン大学と香川大学が参加する国際共同研究イニシアチブでは、気候関連の研究に積極的に取り組んでいます。本ワークショップは、ネパールからはトリブバン大学の地質学科(CDG)・水文気象学科(CDHM)が、香川大学からは地球ディベロプメントサイエンス国際コンソーシアム(ICEDS)と新設された気候変動適応研究部門(ccARG)が主催し、地質学、地形学、氷河学、水文学、生物学、気候学、気象学、社会科学、工学にわたる科学的協力を促進し、気候変動適応策の策定を加速することを目指します。
主要なトピックは、極端降水現象、シビアストームの発生メカニズム、氷河の質量バランス、地球規模の気候変動状況、ジオ巨大災害、生物多様性への影響、高地と低地の相互作用、地質学的現象、リスク管理、観光開発、文化的交流、生活資源の交換、河川システム、水文気象学的予測、環境変化などです。本ワークショップは、WCRP/GEWEXの枠組みの下でアジアの水文気候学的プロセスに焦点を当てた研究プロジェクトを展開しているアジア降水研究計画(AsiaPEX)の要素となっています。
ヒマラヤ山脈南縁域とその河川流域を対象領域とする本ワークショップは、世界で最も脆弱な地域の一つにおける効果的な気候適応に向けた科学的視野を広げることを目的としています。気候変動適応科学の発展に貢献することに関心を持つ研究者の方々の積極的なご参加をお待ちしております。
主要なテーマ
- 極端降水現象:観測、検出、予測
- シビアストームの発生メカニズム
- 氷河の質量バランスと流域水資源への影響の理解
- 地球規模の気候変動状況と将来の予測
- 気候変動下のジオ巨大災害:定義と新たな視点
- 地質学的および水文気候学的な複合災害
- 気候変動が植生や生態系を含む生物多様性に及ぼす影響
- 水文気候的および社会的システムにおける高地と低地の相互作用
- 地質学的現象:地殻変動的/地形学的/水文学的プロセス
- 雪氷学的巨大災害:氷河湖決壊洪水(GLOF)
- リスク管理と観光開発
- 民族/文化/生活の多様化と地水気象環境との相互作用
- 高地社会と低地社会の間での伝統的な生活資源の交換および共有
- 河川システム:土砂堆積、長周期洪水変動、生活資源の河川取引
- 低地の水文気象学的予測スキルの向上が高地での極端な現象の予測に及ぼす影響
- 高地/低地での環境変化が高地/低地の環境に及ぼす影響
- 地質学的/水文学的/気象学的/生物学的環境に関連するリモートセンシング技術
対象となる国や地域
- ヒマラヤ山脈南縁域とその河川流域(中国のチベット地域、ネパール、インド北部および北東部、ブータン、バングラデシュ、ミャンマーを含む)
日程
2024年3月14日~15日
会場
Akama Hotel, Kathmandu, Nepal.
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