ワークショップ:趣旨と概要

かつて香川県に300基をこえる水車があったと伝えられている。高原水車は江戸時代に旧高松藩士が、水路と旧古川周辺の微妙な地形を利用して建造したものであり、今日香川県に唯一残る水車となった。高原水車には小水力を動力として利用し、製粉や精米等を行ってきた歴史がある。高原水車の歴史は高原水車に残された古文書をもとに客観的な検証と研究が可能である。地域住民と全国の研究者の努力により、高原水車は県内で3例目の国の登録有形民俗文化財に登録されるとともに、一度は破損した水車は復活している。更に、自動的に製粉をする機構などの再現に向けた努力がたゆみなく続けられている。高原水車は、エネルギー・水資源・災害との付き合い方・食・農業の営みなどといった人の生存基盤に関する示唆を含む学びの場としても重要な地域資産である。持続可能な地域社会のデザインを指向する香川大学として、環境デザインの観点から高原水車という地域資産にどうコミットするのか検討する。

日時

2023年2月16日 16:20-18:20

会場

ICEDSルーム(遠隔教育調査研究室)/香川大学幸町北2号館2F +zoomによる遠隔配信

プログラム

  • 趣旨説明:村山 聡(香川大学名誉教授・ICEDS共同代表)
  • 「高原水車場の整理から登録まで」
    • 田井静明(前瀬戸内海歴史民俗資料館館長)
  • 「高原水車水路石材の由良石の採掘と活用の歴史」
    • 山中 稔(香川大学創造工学部教授)
  • 「高原水車の建築と空間、学生活動」
    • 釜床美也子(香川大学創造工学部講師)
  • コメンテーター:川崎正視(高松市文化財保護審議会委員)

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